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股関節の痛みの原因は「恥骨結合離開」?

こんにちは!

世田谷区奥沢・田園調布・自由が丘エリアのパーソナルジム併設鍼灸マッサージ治療院 THE DiME です。

今回は、股関節の痛みにお悩みの50代女性の症例をご紹介します。



長引く股関節の痛みの原因は、
さまざまなところに広がっている??

施術前の状態
あぐらがかけない股関節痛

今回の患者さんは、今年5月頃から股関節の痛みが強くなったというお悩みで来院されました。

特に、あぐらをかくと右の股関節がうまく開かないことが気になっていらっしゃいました。

長引く痛みに耐えかねて、整形外科を受診。
「恥骨結合離開」と診断されたとのこと。

恥骨結合離開とは・・・妊娠や出産に関連してよく耳にする「恥骨結合(ちこつけつごう)離開」。
これは骨盤の前側にある「恥骨」という骨同士をつなぐ関節(恥骨結合)が、通常よりも広がってしまう状態をいいます。

ご自身では、股関節を広げるエクササイズを多く取り入れたトレーニングが原因ではないかと感じていらっしゃいました。

しかし、スクワットなどの動作は問題なくできることから、単なる筋肉の硬さだけが原因ではないと考え、さらに詳しくお体の状態をチェックしていきました。



股関節痛の意外な原因は、体のバランスと呼吸だった?
まず、体のバランスを司る「前庭覚(バランス感覚)」と「視機能(目の動き)」をチェックしました。

すると、右足でバランスを取ろうとすると、体の支えがうまく機能していないことがわかりました。
また、目を動かすことでバランスの改善を試みましたが、やはり右側をしっかりと支えられていない状態でした。

次に、全身の緊張も強かったため、呼吸の状態も確認してみると、かなり呼吸が浅いことがわかりました。

そこで、まずは呼吸エクササイズを行い、体の緊張を緩めることに。

深い呼吸によって、脳の「小脳」にも刺激が伝わり、結果として股関節の動きが左右同じくらいにまで改善しました。

しかし、あぐらをかくと、まだ股関節の外側に嫌な感覚が残っている状態。。。

股関節周りの筋肉にアプローチ
次に、股関節周りの筋肉に対して、「反射抑制」というアプローチで筋膜リリースを行いました。
これにより、股関節の可動域はさらに向上しました。

それでもまだ、あと一歩というところで完璧な状態にはなりません。

患者さんがあぐらをかく際に膝を曲げていることに着目し、太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」が関連していると考えました。
触っていくと特に、外側広筋という部分が硬くなっている印象。

そこで、もう一度反射抑制のアプローチで大腿四頭筋を調整しました。

最後の仕上げは、肩関節と脳の活性化
再びあぐらをかいてチェックしてもらうと、最初の状態からかなり改善されていました。

あと少し、というところで、脳の仕組みを考慮した施術を行います。

股関節の動きに関わる小脳は、肩関節とも密接な関係があるため、最後に肩関節を活性化させて小脳を刺激しました。

すると、ほぼ左右差なくあぐらがかけられるようになり、バランスチェックでもしっかりと体を支えられるように変化しました。



今回のケースのように、
長引く股関節の痛みには、一見関係なさそうな体のバランスや呼吸、そして脳の機能が深く関係していることがあります。

当院では、痛みのある部分だけでなく、全身の状態を総合的(視覚、前庭覚など)に評価し、根本的な原因にアプローチすることを大切にしています。

長年の股関節痛にお悩みでしたら、
ぜひ一度ご相談ください。来週のチェックも楽しみにしております!