こんにちは。
院長の小井手です。
大変お久しぶりの今回は、「ストレートネック」の症例。
〇ストレートネックについて〇
通常、人間は生理的な湾曲といってS字に背骨が前後しており、
首の部分は、前側が凸になっています。
パソコンやスマートフォン、タブレットを日常的に使用する現代人は斜め下を常に向いているため
本来あるべきS字のカーブがなくなり、図のように首がまっすぐに癖づいてしまいます。
これを一般的に「ストレートネック」と言います。
「ストレートネック」の場合、後頚部(首の後ろの筋肉)に非常に負担がかかるため、
頚部に痛みを感じる方がとても多く現代病のひとつとなっています。
それでは、
そんな「ストレートネック」の症状に対する当院でのアプローチ法をお伝えしていきます。
以下、当院で施術を受けられた患者様の症状と初回の施術をまとめてみました。
昨日お越しになられたMさん(40代:男性)
≪主な症状≫
・パソコン作業が多い
・上を向けない
上を向こうとすると背中まで「ビリビリ」した感覚がある。
・側屈(左右に倒す動作)は可動域制限あり。
特に左に倒せない。
・回旋(振り向く動作)は特に問題ない。
≪検査≫
視覚(眼の動き)、前庭(バランス)・荷重チェック、呼吸時の肋骨の動き
以下の大きなエラーは以下の4つ
☆左側に多くの癖が見つかる
☆右荷重強い(左に乗れていない)
☆腰部は右が緊張気味
☆リブフレア
これらの症状に対し
呼吸エクササイズや目、三半規管への介入で
背部の緊張が軽減し、かなり上を向けるようになる。
≪筋筋膜へのアプローチ≫
頚部を触れ、トリガーポイントの部位を確認したうえで、
いっけん関係なさそうなモモやフクラハギを触ると、左足は「パンパン」でした。
軽いタッチで反射を促し、左足の緊張をとると、頚部のトリガーポイント付近は随分柔らかく変化。
☆筋膜は連結しながら縦に長く連なり、前額部まで伸びているためだと考えられます。
そして、ここで面白い反応が起こりました。
「左足に触れただけなのに右腰の張りがなくなっていました!」
なぜでしょう?
なかなか興味深い話だと思いませんか?
人間の脳(今回は「脳幹」「小脳」)には様々な「緊張抑制システム」があり、そこが反応したのです。
このシステムを活性化するアプローチ法は他にもありまして、
寝違いの患者様に時々行うのですが、毎回皆様ビックリされています!
いよいよトリガーポイントに針治療です。
左の僧帽筋、頭半棘筋へ針を打った時が特に強い反応(ローカルトゥイッチ)が起こり手応えあり。
針を抜いた後は、若干の筋肉痛様の感覚は伴いましたが、
可動域がほぼ正常値に戻っていました。
最後に、バランスよく立つことも大事なので、
股関節周りを活性化し、左に体重もかけられるようになり、
局所的にも体全体的にも整ったと思います。
「月に一度は整えに来ます」と治療の重要性を実感していただいたお言葉に
昨日も治療させていただいて良かったと思ったしだいです。
誰しもが様々な癖をお持ちです。
一度ではその癖は取り切れませんが、
必要なタイミングでアプローチすることで癖も出にくくなります。
「ストレートネック」でお悩みの方の参考になれば幸いです。